|
|
|
当店は製造元として、問屋向けのみにやってきましたが、あるきっかけがあり、昭和54年(1979年)から小さな直売の店舗を安江町で開かせていただいております。金沢へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
「金沢桐工芸」とはどんなものか、製品を直接見てみないと、きっとわからないでしょう。ポピュラーな物ではないので、写真などでは、感じをつかむことは難しいと思います。私はいつも目にし、手に触れているので、あたりまえに思っていましたが。このホームページで少しでも、桐工芸品の味わいを理解していただければ、幸いと存じます。
最近、一見すると金沢桐工芸かと思える紛い物が出てきています。残念です。伝統的な技法に固執している私たちが、偏屈なのでしょうか?中国からも焼いた桐板が入ってくる時代ですから・・・でも、最後まで偏屈者で居たいものです。
桐の木というのは、本当に変わった木だと思います。
必ず、芯に穴が開いています。芯の部分を刳(く)り抜いてしまう火鉢や灰皿、花瓶などには丁度良かったのでしょう。しかし、盆や鉢などを作ろうとすると、この穴がちょっと問題なんです。
また、刃物切れが良くありません、いつも刃を研いでいるような状態です。特に、木口面の切削は研ぐのが仕事みたいなものですね。
それに、木の性質が軟らかくなければ、食器なども出来るのですが、桐は簡単に爪の跡がつく位、軟らかい木なので・・・。
また、直接、火で焼きますから、薄い板物などで、片面のみを焼くものは、どうしても反りますね。そして、焼色も、木の質などによって黒っぽくなったり、茶っぽくなったりします。ただ、年数の経ったものは、飴色様になって、いい味がでますね。 桐の焼き肌は、私は好きです。灰を落とし、布バフで艶出しした感じが好きですね。暖かく、柔らかい、なんと言うか「ぼっこりとした」感じが好きです。
桐には、このように、仕事上は、多くの難点がありますが、逆にそういうところを生かしつつ、かえって良さとなるようなものを作って行かなければいけないといつも思っています。
店主 岩本清史郎
|
|
|
|
|